暗号資産の税はいくらから?かかる取引と確定申告の基本を解説

- 暗号資産の売却益・交換益・決済益は原則として「雑所得」に分類される。
- 個人の暗号資産の利益は総合課税で、所得税率は5%〜45%の累進課税。住民税10%を合わせると最高55%。
- 給与所得者は給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要(ただし課税されないわけではない)。
- 税金がかかるのは「売ったとき」だけでなく、別の暗号資産への交換・決済・報酬の受取でも発生する。
- 所得税の確定申告期限は原則として翌年3月15日。
暗号資産 税の結論

暗号資産の利益は原則「雑所得」として総合課税され、給与所得者は年20万円超で確定申告が必要になります。
私は税理士事務所で7年、個人の確定申告サポートをしてきました。自分でも暗号資産を3年取引していて、毎年自力で申告しています。その経験から言うと、いちばん大事なのは「いつ課税されるか」を理解することです。
暗号資産の売却益・交換益・決済益は、国税庁のFAQで原則「雑所得」と明記されています。
暗号資産(仮想通貨)の税金はいくらからかかる?
会社員など給与所得者は、暗号資産を含む給与以外の所得が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。

これは国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」の基準にあるラインです。給与以外の所得が20万円以下なら、所得税の申告義務はありません。
ただし、ここを誤解する人が本当に多い。20万円以下でも「税金がかからない」のではなく「申告義務がない」だけです。住民税の申告は別途必要になります。
暗号資産の利益は総合課税なので、累進課税で税率が決まります。所得税は5%〜45%です。
暗号資産(仮想通貨)で税金がかかる取引タイミング
税金がかかるのは、暗号資産を「売却・交換・使用」したときで、保有しているだけでは課税されません。
国税庁のFAQでは、売却・交換・使用のいずれも課税対象になり得るとされています。逆に言えば、買って持っているだけなら利益が確定していないので課税されません。
| タイミング | 課税されるか | 利益の考え方 |
|---|---|---|
| 日本円に売却した | 課税される | 売却額−取得原価 |
| 別の暗号資産に交換した | 課税される | 交換時の時価−取得原価 |
| 買い物の決済に使った | 課税される | 決済時の時価−取得原価 |
| 報酬として受け取った | 課税される | 受取時の時価 |
| 買って保有しているだけ | 課税されない | 利益が未確定 |
正直に言うと、見落とされがちなのは「交換」と「決済」です。日本円にしていないから大丈夫、と思っている人ほど後で慌てます。
暗号資産(仮想通貨)を売却したとき

暗号資産を日本円で売却したときは、売却額から取得原価と必要経費を差し引いた金額が利益(雑所得)になります。
国税庁のFAQでは、損益は「収入から取得原価と必要経費を差し引いて求める」と整理されています。
例えば50万円で買ったビットコインを80万円で売れば、差額の30万円が利益です。ここに購入時の手数料などを経費として乗せれば、課税される利益はもう少し下がります。
取得原価の計算には評価方法が関わります。これは後の章でまとめて説明します。
別の暗号資産(仮想通貨)へ交換したとき
ビットコインをイーサリアムに替えるなど、暗号資産同士を交換したときも利益が確定し、課税対象になります。

国税庁のFAQでは、交換も課税対象になり得るとされています。交換した時点の時価で、いったん売却したのと同じ扱いになるためです。
私の実感では、ここがいちばんの落とし穴。日本円を一度も引き出していないのに、交換を繰り返しただけで利益が積み上がっていた、というケースを何度も見ました。
報酬として暗号資産(仮想通貨)を受け取ったとき
レンディングやステーキングなどで暗号資産を報酬として受け取ったときは、受取時の時価が収入になります。
報酬の受取も、国税庁FAQが示す「取得」に当たり、雑所得の対象です。受け取った時点の日本円換算額を記録しておく必要があります。
この記録を後回しにすると、価格が変動した後では正確な金額が分からなくなります。受け取ったその日にメモを残すのが、いちばん楽でした。
暗号資産(仮想通貨)で決済したとき

暗号資産で買い物の決済をしたときも、決済時の時価から取得原価を引いた差額が利益になります。
国税庁のFAQでは、暗号資産の「使用」も課税対象になり得ると整理されています。物を買っただけのつもりでも、税務上はいったん売却したのと同じ扱いです。
少額の買い物でも積み重なれば利益になります。決済に使うなら、その都度の時価を控えておくのが安全です。
暗号資産(仮想通貨)で確定申告が必要なケース
給与所得者は暗号資産を含む給与以外の所得が年20万円を超えたとき、確定申告が必要です。

| 立場 | 給与以外の所得 | 所得税の確定申告 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員 | 年20万円以下 | 原則不要 |
| 会社員・公務員 | 年20万円超 | 必要 |
| 個人事業主・無職など | 所得が一定額を超える | 必要 |
前述の国税庁No.1900の基準が、この20万円ラインの根拠です。
暗号資産(仮想通貨)の利益が確定申告の対象になるケース
売却・交換・決済・報酬の受取で得た利益から経費を引いた金額が、雑所得として申告の対象になります。
複数の取引所を使っている場合は、すべての損益を合算して計算します。1か所だけ赤字でも、全体でプラスなら申告が必要です。
注意したいのは、暗号資産の損失はほかの所得と相殺できないことです。給与や事業の利益から差し引くことはできません。
確定申告をしなかったらどうなる?

申告が必要なのにしなかった場合、本来の税金に加えて加算税や延滞税といったペナルティが課されます。
暗号資産は取引所を通じて記録が残ります。「バレないだろう」で済ませるのは、私の立場からは絶対に勧めません。
所得税の申告期限は原則として翌年3月15日です。住民税は、所得税の確定申告内容が連動する形で扱われます。
暗号資産(仮想通貨)の確定申告方法と税金の計算方法
確定申告は、各取引所の年間取引履歴をもとに損益を計算し、雑所得として申告書に記載する流れです。

私が毎年やっている手順は、こうです。
- 利用している全取引所から年間取引履歴をダウンロードする。
- 売却・交換・決済・報酬ごとに収入と取得原価を集計する。
- 収入から取得原価と必要経費を引いて雑所得を計算する。
- ほかの所得と合算し、累進税率で所得税を計算する。
- 翌年3月15日までに確定申告書を提出する。
取得原価の計算には「総平均法」か「移動平均法」を使います。評価方法は、初めて取得した年の翌年3月15日までに届け出が必要で、届出がなければ総平均法になります。
いったん選んだ評価方法は、原則3年間変更できません。最初に決めるときは慎重に。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得税率 | 5%〜45%の累進課税 |
| 住民税 | 原則10% |
| 合計の最高税率 | 55% |
手数料は経費として計上できます。取引手数料や送金手数料は、利益を圧縮する材料になるので、漏れなく拾っておきたいところです。
計算が大変な人は、取引履歴を読み込んで損益を自動計算するツールを使う手もあります。手作業で全部やると、取引が多い年は本当にきついです。
よくある質問
よくある質問
最後に、私からひとつだけ。記録は取引したその日に残してください。年明けにまとめてやろうとして、価格を遡れず泣いた人を何人も見てきました。今日の取引履歴を保存することが、来年の自分を救います。
