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節税・損益通算

仮想通貨の損失繰越はできない?損益通算の仕組みと注意点を解説

村田さやか / 更新:2026-06-24
仮想通貨の損失繰越はできない?損益通算の仕組みと注意点を解説
「今年は仮想通貨で大きな損が出たから、来年に繰り越して利益と相殺できるはず」——そう思っている人に、まず結論を伝えます。個人の暗号資産取引の損失は、現行制度では翌年以降に繰り越せません。株やFXと同じ感覚でいると、確実につまずきます。
  • 個人の暗号資産(仮想通貨)の損失は、原則として翌年以降に繰り越せない。
  • 暗号資産の所得は「雑所得」に当たり、給与や事業所得とは損益通算できない。
  • 同じ年の中でなら、暗号資産同士の利益と損失は相殺できる。
  • 株式の損失繰越(3年)やFXのルールは、暗号資産には適用されない。
  • 含み損は損失にならない。損として使うには年内に売却して確定させる必要がある。

仮想通貨 損失 繰越 できないの結論

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個人が暗号資産取引で出した損失は、現行の税制では翌年へ繰り越せません。これが今の制度のはっきりした答えです。

国税庁のFAQでは、暗号資産の所得は通常「雑所得」に区分されます。そして雑所得の損失は、繰越控除の対象外です。

私は確定申告を毎年自分でやっていますが、暗号資産で損が出た年に「来年使えるはず」と期待していた知人が、年明けに肩を落としていたのを何度も見ました。仕組みを知らないと損だけが残ります。

暗号資産の損失は翌年に持ち越せません。だからこそ「年内に処理する」発想が何より重要になります。

仮想通貨の損益通算とは?できる場合とできない場合を徹底解説【2026年】

暗号資産の損益通算は「できる範囲がとても狭い」のが実態です。同じ年の暗号資産同士なら相殺できますが、給与や株とは通算できません。

仮想通貨の損益通算とは?できる場合とできない場合を徹底解説【2026年】

損益通算とは、簡単に言えば「利益と損失を相殺して、課税される所得を減らす」仕組みです。ただし、すべての所得を自由に足し引きできるわけではありません。

暗号資産の損失と他の所得の通算可否
現行制度(個人・雑所得として扱われる場合)
相手の所得・取引損益通算補足
暗号資産同士(同一年内)できる同じ雑所得の中で相殺
給与所得できない所得区分が違う
事業所得できない所得区分が違う
不動産所得できない所得区分が違う
株式投資の損失できない株式は申告分離課税
FXの損失できないFXも申告分離課税
翌年への繰越できない雑所得は繰越控除の対象外

正直に言うと、この表の「できない」の多さに、最初は私も驚きました。株やFXに慣れた人ほど落とし穴にはまりやすい部分です。

仮想通貨の損益通算とは?基本をわかりやすく解説

暗号資産の損益通算は、原則として「同じ年の暗号資産取引の中だけ」で考えるものです。

たとえば、ビットコインで30万円の利益、イーサリアムで20万円の損失が同じ年に出たとします。この場合、差し引き10万円が課税対象の利益になります。

ポイントは「同一年内」であること。年をまたいだ瞬間、損失はリセットされます。

損益通算の意味と仕組み

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損益通算は「もうけと損を合算して、税金の計算対象を圧縮する」仕組みです。

ただし、合算できる相手には制限があります。暗号資産の場合、合算できるのは基本的に同じ雑所得の中まで。区分の違う所得とは混ぜられません。

ここを誤解したまま申告すると、本来払う必要のない税金を計算してしまったり、逆に税務署から指摘を受けたりします。

仮想通貨は「雑所得」に分類される

暗号資産で得た利益は、原則として「雑所得」に区分されます。

仮想通貨は「雑所得」に分類される

雑所得とは、給与所得や事業所得など、ほかのどの区分にも当てはまらない所得をまとめる箱のようなものです。年金や副業の一部もここに入ります。

この「雑所得」という区分こそが、損失を繰り越せない最大の理由です。

雑所得の3つの特徴

雑所得には、暗号資産の損失繰越を不可能にする特徴が3つあります。

暗号資産が分類される「雑所得」の主な特徴
特徴内容投資家への影響
繰越控除がない損失を翌年に持ち越せない損は出た年で使い切るしかない
他区分と通算不可給与・事業・不動産と相殺できない本業の所得は減らせない
総合課税他の総合課税の所得と合算して累進課税利益が大きいほど税率が上がる

特に「繰越控除がない」点が決定的です。株式なら最大3年繰り越せる損失も、暗号資産では翌年にはもう使えません。

仮想通貨の損益通算|できる場合とできない場合

株の3年間損失繰越控除の落とし穴!実は確定申告すると損をする?
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暗号資産の損益通算は「同じ年の暗号資産同士」ならでき、「他の所得や翌年」とはできません。

この線引きを表で整理します。迷ったらここに戻ってください。

暗号資産の損益通算 できる・できない早見表
ケース可否
同じ年に複数の暗号資産で出た損益の相殺できる
同じ年の他の雑所得(副業など)との相殺できる場合がある
給与所得・事業所得との相殺できない
株式・FXの損益との相殺できない
今年の損失を翌年の利益と相殺できない
「同一年内・暗号資産同士・雑所得の範囲」ならOK。それ以外は基本ダメ、と覚えると整理しやすいです。

仮想通貨同士の損益通算はできる

同じ年であれば、複数の暗号資産の利益と損失を相殺できます。

仮想通貨同士の損益通算はできる

具体例で見てみます。同じ年に次の損益が出たとしましょう。

暗号資産同士の損益通算の計算例
すべて同一年内に確定させた損益
銘柄損益
ビットコイン+50万円
イーサリアム-20万円
その他アルトコイン-10万円
合計(課税対象)+20万円

この場合、課税対象になる暗号資産の所得は20万円です。利益だけ申告して損失を入れ忘れると、損をするのは自分です。

他の雑所得との損益通算もできる

暗号資産の損益は、同じ「雑所得」に入る他の所得とであれば、同一年内で通算できます。

たとえば副業の原稿料や、一部のアフィリエイト収入なども雑所得に入るケースがあります。

ただし注意したいのは、雑所得の中には「公的年金等」など別計算が必要なものもある点です。すべての雑所得を単純に足せるわけではありません。私自身、申告のたびにここは慎重に確認しています。

株式投資の損失とは通算できない

仮想通貨の損益計算、方法を3つ紹介します
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株式投資の損失と暗号資産の損益は、損益通算できません。

株式は「申告分離課税」という別枠で計算され、税率も一律です。そして株式の損失は最大3年間繰り越せます。

一方の暗号資産は総合課税の雑所得。課税の土俵がそもそも違うため、株の損で暗号資産の利益を消すことはできません。「3年繰り越せる」のはあくまで株式の話です。

「暗号資産も3年繰り越せる」という情報を見たら要注意。それは株式やFXのルールと混同しています。

FXの損失とも通算できない

FX(外国為替証拠金取引)の損失も、暗号資産とは通算できません。

FXの損失とも通算できない

FXは「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税が適用され、損失は最大3年繰り越せます。

名前は同じ『雑所得』でも、FXは分離課税、暗号資産は総合課税。この違いが大きく、両者を相殺することはできません。

ここで触れておきたいのが、2026年に向けて議論されている税制改正です。暗号資産を分離課税にする案が話題になっています。

ただし、これはあくまで改正の議論段階です。現時点で確定したルールとして「繰り越せる」と書くことはできません。改正後の見込みと現行制度は、必ず分けて考えてください。

私の率直な意見を言えば、含み損を抱えている人ほど「年内に売って損を確定させ、同じ年の利益とぶつける」という当たり前の対策を、改正を待たずに今年やっておくべきだと思います。

暗号資産・株式・FXの損失の扱い比較
現行制度。暗号資産は分離課税化の改正議論あり(未確定)
項目暗号資産株式FX
課税方式総合課税(雑所得)申告分離課税申告分離課税
翌年への損失繰越できない最大3年最大3年
他の同種取引との通算暗号資産同士のみ上場株式等の範囲先物等の範囲

よくある質問

暗号資産の損失と繰越について、相談を受けやすい質問をまとめました。

よくある質問

仮想通貨の損失が繰越できないとはどういう意味ですか?
今年出た暗号資産の損失を、来年以降の利益から差し引けない、という意味です。暗号資産の所得は雑所得に区分され、雑所得の損失は繰越控除の対象外だからです。株式の最大3年繰越とは扱いが違います。
損失を活かすために費用はかかりますか?
損失を同一年内の暗号資産の利益と相殺するだけなら、特別な費用はかかりません。必要なのは確定申告です。取引が多い場合は損益計算ツールの利用料がかかることがありますが、無料で使える範囲のツールもあります。
損失対策は何から始めればいいですか?
まず各取引所から年間の取引履歴をダウンロードし、損益計算ツールで全取引所をまとめて集計します。そのうえで、年内に含み損のある銘柄を売却して損を確定させ、同じ年の利益とぶつけるのが基本の流れです。
含み損も損失として申告できますか?
できません。値下がりしているだけの状態(含み損)は税務上の損失になりません。売却や交換などで損失を確定させて初めて、その年の損益計算に使えます。年内に処理する必要がある点に注意してください。
20万円以下なら申告は不要ですか?
給与所得者で、給与以外の所得(暗号資産の利益を含む)が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になるケースがあります。ただし損失が出た年でも、住民税の申告が必要な場合や、他の事情で申告した方がよい場合があります。

最後にひとつだけ。暗号資産の損は「出た年に使い切る」しかありません。12月になってから慌てないよう、秋のうちに自分のポジションと損益を一度見直しておくこと。これが、私が毎年やっている一番地味で効く対策です。

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村田さやか

元税理士事務所スタッフ(個人事業主の確定申告サポート担当) ・ 自身も暗号資産取引歴3年・毎年自力で確定申告を実施

税理士事務所での勤務経験をもとに、暗号資産の確定申告を自分でもやってみながら、制度の変化を一次情報で追い続けています。難しい税務用語は使わず、初めて申告する人が迷わないよう順を追って書くことを心がけています。

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税理士事務所での勤務経験をもとに、暗号資産の確定申告を自分でもやってみながら、制度の変化を一次情報で追い続けています。難しい税務用語は使わず、初めて申告する人が迷わないよう順を追っ

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